特定調停による強制執行停止で給与の差し押さえも止められる?手続き方法は?

停止のイメージ

強制執行とは、返済が滞っている債務者に対し債権者が行う法的な債権回収方法です。債務者は給与を差し押さえられると生活がさらに苦しくなり、経済的な再生が困難になる恐れがあります。そこで特定調停を申し立てると、強制執行を停止できます。しかし調停が成立しなければ、債権者は再び強制執行が可能となります。

強制執行の仕組みと債務者への影響

特定調停で債務整理をした後に、債務者が借金を期日までに返済せず、債権者からの督促にも応じていない場合、強制執行によって給与などを差し押さえられることがあります。強制執行とはどのような仕組みで、債務者にどのような影響を与えるのでしょうか。

強制執行とは

強制執行とは、債権者に認められた、法的手段による債権回収です。最も多い手法は給与差し押さえです。

法的手段による債権回収

債務者の返済が滞ると、債権者は裁判所を介する法的手段で債権回収を図ることが可能です。具体的には債権者が裁判所に支払督促や訴訟を申し立てるケースが多く、裁判所から「債務名義」を入手すれば強制執行ができるようになります。

債務名義とは

債務名義とは、これから予定している強制執行において、請求する範囲や債権者、債務者を示した公文書のことを言います。この債務名義があることで強制執行が可能になります。債務名義には、確定判決や仮執行宣言付判決仮執行の宣言、仮執行宣言付支払督促、和解調書、調停調書などがあります。

支払督促を選ぶことが多い

債権者は訴訟よりも支払督促を選ぶケースが多くなっています。理由の一つは、支払督促の手続きは債権者が提出した書類を裁判所が確認するだけで済むことです。債務者に意見を聞くなどの手間がかからないため、手続きにかかる時間が短いのです。

支払督促を無視すると

裁判所は、債権者から支払督促の申し立てを受理すると、債務者に支払督促を送ります。この通知は、郵便ポストへの投函ではなく、確実に債務者の手に渡る特別送達という方法がとられます。もし債務者が支払命令を受け取ってから2週間以内に何の反応もしなければ、債権者の申し立てで裁判所から「仮執行宣言」が発付され、強制執行が可能となります。

最も可能性が高い「給与差し押さえ」

強制執行で差し押さえる対象は、主に、建物・土地などの「不動産」、現金・有価証券などの「動産」、給料などの「債権」です。その中で最も差し押さえられる可能性が高いのは給与です。なぜなら、不動産や動産は債務者が持っていない場合も多く、もし差し押さえても換金する手間がかかるからです。給与なら毎月安定的に入ってくるうえ換金の手間もいらないので、債権者にとっては好都合と言えます。

給与差し押さえの影響

借金返済を滞納していた債務者が、強制執行によって給与を差し押さえられると、生活が苦しくなる、職場に迷惑をかけるといったデメリットを受けます。では、差し押さえ額はどれくらいまでが認められているのでしょうか?

差し押さえ可能な額とは?

強制執行といっても財産のすべてを突然差し押さえられるわけではありません。いきなり、すべての給与を差し押さえられては、たちまち生活ができなってしまいます。そのため差し押さえの上限は決められています。

差し押さえ額は手取り額の4分の1

民事執行法152条は「給与、賃金、退職年金、賞与等は、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。」としています。つまり、差し押さえを行う債権者は、債務者の給与の4分の1までなら債権回収に充てることが可能です。
「支払期に受けるべき給付」は所得税や住民税、社会保険料などを除いた「手取り額」のことを指します。債務者の手取り給与が20万円なら、債権者は5万円まで差し押さえできることになります。

職場に知られ、手間もかける

また、給与を差し押さえられると、借金の返済を滞納していたことが職場に知られます。さらに、差し押さえ分は職場から債権者に支払ってもらう必要もあり、経理担当者に余分な手間をかけるというデメリットもあります。
支払方法は職場から貸金業者などに直接支払う、あるいは、職場から法務局に供託して間接的に支払う、という2種類があります。差し押さえを行う業者が2社以上の場合は、供託によって支払う義務があります。

特定調停で強制執行を停止させる

債権者が強制執行を行うと、経済的に苦しくなり生活再建までの道のりがさらに遠のく債務者も出てきます。その場合は、債務整理の手段として特定調停を申し立てれば、すでに始まっている強制執行を停止させることが可能です。

強制執行停止の手順

特定調停は、債権者の所在地を管轄する簡易裁判所に債務者が申し立てることで手続きを開始します。

特定調停の申し立てで取り立てがストップ

申し立てを受理した裁判所は、直ちに相手方である債権者に対して特定調停を開始する旨の通知(特定調停開始通知)を送付します。すると、債権者の取り立て行為は、ほぼ確実に停止します。債権者が通知を受け取った後も取り立てを行えば、行政処分や刑罰の対象となるからです。

強制執行停止には別途手続きが必要

一方、債権者がすでに債務者の給与を差し押さえるなどの強制執行を行っている場合は、これを停止させることができます。注意したいのは、特定調停を申し立てると債務者への取り立ては自動的に停止しますが、強制執行の停止には別途手続きが必要だという点です。停止させるためには、債務者は裁判所に「強制執行停止申立書」を提出します。

なぜ停止できるのか

強制執行が継続すると債務者の経済的再生を目的とする債務整理自体ができなくなる危険が生じる場合があります。例えば、特定調停を行い新たな返済計画を立てたくても、特定の債権者からの給与差し押さえで家計がギリギリでは、他の債権者への返済が不可能になります。また、住居が競売にかけられれば、生活の基盤が失われ、債務者の経済状況はさらに悪化する恐れがあります。そこで特定調停においては、債務者の経済的再生という制度趣旨を図るため、執行停止制度を設けているのです。

強制執行停止に関する注意点

債務者にとっては救いになる強制執行の停止手続きですが、これは全ての債務整理手続きで可能なわけではありません。さらに、特定調停で強制執行を停止しても、調停の結果によっては差し押さえが再開することもありえます。

任意整理は強制執行をストップできない

特定調停と任意整理は借金圧縮の手法が似ていますが、大きな違いは、任意整理ではすでに行われている強制執行を停止できないという点です。
任意整理は弁護士などの専門家に依頼するケースが多く、手続きにかかる費用は特定調停よりも高くなりますが、強制執行による給与差し押さえで生活がままならない、という方は特定調停を検討してみるのもよいでしょう。

調停失敗すれば強制執行が再開

特定調停を申し立てても、相手方との交渉が合意に達しない、あるいは調停委員の勧めで調停を取り下げる、といったケースもあります。特定調停で強制執行を停止した後、もし調停が成立せずに終わったらどうなるのでしょうか。
実は、債権者は改めて差し押さえを行うことが可能になります。債務者がとれる対策は、すぐに個人再生や自己破産といった他の債務整理手続きへ移行することです。これらの債務整理手続きも、強制執行停止の申立ができます。

強制執行でお悩みの方は弁護士・司法書士に相談を

債務整理を行うメリットのひとつは、借金の返済に追われる生活を一旦ストップして、気持ちに余裕をもって再建策を検討できることです。特定調停の強制執行停止機能は、給与差し押さえなどで生活が苦しい債務者にとって非常に便利な制度です。特定調停をはじめ債務整理について詳しく知りたい方は弁護士や司法書士の無料相談を利用してみてください。

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