特定調停後のクレジットカード作成で気を付けたいポイントとは?

債務整理後のクレジットカード

特定調停を行うと、弁済期間を含めて8年程度はクレジットカードを作れません。完済から5年が過ぎたら審査に通る可能性も出てきますが、まずは自己開示をして事故情報が削除されたか確認することをおすすめします。さらに、特定調停を行った会社の系列企業は避けること、1度にたくさんの会社に申し込まないなどの注意が必要です。

特定調停を行うと約8年間はクレジットカードを作れない

特定調停を行うと、クレジットカードを作れなくなってしまうのは事実です。しかし、永久にクレジットカードを持てないわけではありません。具体的な期間や、この期間に知っていると便利なカードについてご紹介します。

特定調停は信用情報機関に事故情報として登録される

特定調停に限らず、債務整理をしたら信用情報機関に事故情報として登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。クレジットカードを作る際、審査では必ず信用情報を参照しますので、事故情報があればまず審査に通らないと考えてよいでしょう。ただし、一定期間を過ぎれば信用情報機関から特定調停の事実は削除されます。

信用情報機関への登録機関は8年程度

特定調停の事故情報は、信用情報機関によって登録期間が異なります。クレジットカード会社が多く加盟しているCICやKSCでは、「契約期間中および取引終了から5年間」です。特定調停の申し立てをしてからではなく弁済額を完済してから5年間なので、弁済期間が通常通り3年であれば8年ほど登録されることになります。

クレジットカードを含む信用取引全般が厳しくなる

信用情報機関に特定調停の事実が登録されると、クレジットカードに限らず各種ローン、キャッシング、割賦購入、奨学金(特定調停をした本人請求の場合)などすべての信用取引が難しくなります。この期間に収支のバランスを整え、信用情報の回復に向けて現金での経済的再生に努めましょう。

クレジットカードではないカードを賢く使う

弁済後5年間はクレジットカードの無い生活を続けなければなりませんが、仕事上の理由など、どうしても必要な人もいるでしょう。新規作成に審査がなく、クレジットカードの代わりとして知っていると便利なカードをご紹介します。

クレジットカードの代わりとして使えるカードとは

デビットカード

デビットカードとは、クレジットカードのように決済に使える銀行のキャッシュカードのことです。銀行口座からすぐに決済金額が引き落とされるしくみで、与信枠がないので審査もありません。分割払いはできませんが、即時決済のシステムなので、現金で支払うのと同様に分かりやすく、使用した額が明確です。

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードとは、有料道路の支払いの時のみ使用できるカードで、高速道路6社が共同で発行しています。通常のETCカードは、クレジットカードの1種なので審査が必要ですが、ETCパーソナルカードなら、有料道路月平均使用額の4倍の保証金と年会費が必要ですが審査がありません。ETCカードと同じように料金の後払いでETCレーンを通ることができるので、ETCが必要不可欠という人には使えるカードです。

完済から5年が過ぎたら審査に通る可能性も・・・

特定調停で決められた弁済額をきちんと完済してから5年が経つと、クレジットカード審査に通る可能性が出てきます。ただし焦って申し込みをする前に、気を付けたい3つのポイントがありますので紹介します。

信用情報を自己開示して確かめる

特定調停の事故情報は、完済から5年で信用情報機関から削除されます。しかし、「そろそろ5年だし、試しに挑戦してみよう!」と気軽にクレジットカード作成を申し込むのはおすすめできません。まずは、信用情報を自己開示してみるとよいでしょう。

信用情報を自己開示したほうがいい理由

特定調停から8年、完済してから5年が過ぎていても、なんらかの理由で事故情報が残っていることもあり得ます。クレジットカードを申し込む前に、事故情報が確実に削除されているか確認することをおすすめします。クレジットカード会社が事故情報を参照すれば審査落ちとなり、さらに「Aという会社で審査に落ちた」という履歴まで信用情報に残ってしまうからです。

信用情報の自己開示はどうやってするの?

信用情報機関には3つの団体があり、開示請求や信用情報の開示方法はそれぞれ異なります。クレジット会社の多くがCIC、銀行系のクレジットカード会社ならKSCに加盟していますが、信用情報はネットワークで共有されていますので、JICCを合わせたすべての信用情報機関の信用情報を確かめておけば安心です。

信用情報機関 開示請求の方法 信用情報の開示方法
CIC(シーアイシー) ネット・郵送・窓口 ネット・郵送・窓口
JISS(日本信用情報機構) アプリ・郵送・窓口 郵送・窓口
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 郵送 郵送

本人の申し込みであれば、自分の情報が現在どのように登録されているかを確認することができます。開示の方法は郵送や窓口で可能ですが、CICのみ、ネット上で開示請求を行ってPDFで信用情報を見ることができます。ただし、手数料(1,000円)の支払い方法がクレジットカードだけなので、特定調停後初めてのクレジットカードを申し込む場合は、郵送か窓口になります。インターネット上での情報開示の禁止、または禁止の解除の操作をすることもできます。

事故情報が消えていても注意が必要

信用情報を自己開示して、特定調停の事故情報が削除されていることを確認できたら、いよいよクレジットカードの申し込みを進めましょう。ただし、どのクレジットカード会社にするかは慎重に選ぶ必要があります。

特定調停後の申込で注意すべき点

特定調停で迷惑をかけた業者の系列会社は避ける

金融機関では、「社内ブラック」と呼ばれる系列やグループ各社で共有する独自のデータを記録している可能性があります。つまり金融機関のデータベース上に情報を残されてしまいます。それによって信用情報機関からは事故情報が削除されていても、社内ブラックによって審査に落ちることも想定されます。そのため、特定調停を行った会社のグループ企業は避けたほうが賢明でしょう。もしも「審査落ち」となれば、また信用情報に傷が付いてしまいます。

1度にたくさん申し込まない

「数打ちゃ当たる」方式で、たくさんのクレジットカードを申し込むのもやめましょう。クレジットカード申し込みの履歴は信用情報に記録されるため、クレジットカード会社に「たくさん申し込んでいるから、お金に困っている」と思われかねません。もちろん審査に落ちたことも、信用情報からわかってしまいます。この記録は半年間で削除されますので、1度落ちてしまったら、また半年待ってから別の会社に申し込むのが理想的です。

このように、特定調停を行うと弁済期間を含めて8年程度はクレジットカードを持つことができません。さらに、8年が経過したあともクレジットカードを申し込む際には①信用情報を自己開示する②特定調停を行った会社の系列企業は避ける③1度にたくさん申し込まないなど、注意すべき主な3つのポイントがあります。特定調停のデメリットついてより詳しく知りたい方は、弁護士など専門家へ相談することをおすすめします。

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