過払い金請求詐欺に注意|怪しい相手に騙されないために知るべきこと

詐欺師

テレビやラジオCMなどで「過払い金を取り戻そう!」と叫ばれるようになったおかげで過払い金に対する認知度は向上していますが、それに伴って過払い金請求を利用した詐欺事件も増加しています。

過払い金請求詐欺の手口や騙されず、払いすぎた利息である過払い金をしっかり取り戻すためには、どんなことに注意すればよいのでしょうか。

過払い金請求詐欺とは

昨今、「過払い金は取り戻せます」「5分ほどのお電話で無料診断」などとテレビやラジオCMで叫ばれているのを一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。それくらい、消費者の間では過払い金返還請求に対する認知度が上がってきています。

消費者心理につけこんだ詐欺

過払い金返還請求は法律で認められた消費者の正当な権利です。しかし、消費者の不安な心理につけこんだ何者かが過払い金を騙し取る事件も数多く発生しています。

最高裁判所の判決により過払い金の返還請求が認められて以降、貸金業者に支払い過ぎたお金を返してもらおうとする過払い金請求の依頼者が急速に増加しました。この流れに乗る形で、お金を騙し取ろうとする詐欺事件が横行しているのが事実です。

「お金が返ってくる」という消費者の心理を狙う

過払い金請求詐欺を行うのは、当然のことながら真っ当な人間や組織ではありません。しかし、過去に借金をしていた人は「お金が返ってくるかもしれない」という期待から、巧みな勧誘に乗ってしまう傾向があります。絶対に騙されないようにしましょう。

過払い金請求詐欺をしかけてくる相手とは

多発している過払い金請求詐欺ですが、過払い金請求詐欺に遭わないためにも、実際に詐欺を行うのはどのような相手なのかについて知っておきましょう。

悪質な貸金業者

悪質な貸金業者は、過払い金返還請求の際に返すべき金額よりもずっと低額での和解を求めてきます。

相手は金融業界のプロなので、あれこれ理由を付けて強引に消費者を納得させようとしますが、素人では太刀打ちできないケースも多いです。このような場合には、信頼できる弁護士などの専門家に相談した方が良いでしょう。

弁護士やNPOを名乗る団体

弁護士事務所やNPO団体を名乗って、コンタクトを取ってくる人間もいます。一般的には、過払い金返還請求をするように持ちかけて高額な着手金を要求するケースが多く、中には裁判所を装って過払い金返還請求にかかる手数料を求める事例もあります。国家機関はもちろん、依頼してもいないのに弁護士事務所側から過払い金請求に関する連絡をしてくることはないので注意しましょう。

中には悪徳な弁護士や司法書士が仕掛けてくるケースも

弁護士や司法書士の中にも、過払い金返還請求の相談をしただけで高額な着手金を要求してくる悪質な人達がいます。最近は、過払い金請求に関する相談を無料で受け付けている弁護士事務所や司法書士事務所も多く、正式な委任契約もしていないのにいきなり高額な報酬を求められることはありません。

過払い金請求詐欺の手口とは

過払金請求詐欺には様々な種類の手口があります。被害に遭わないように、世間ではどのような手口が使われているのか把握しておきましょう。

自分からコンタクトをとらない限り、弁護士事務所や裁判所から連絡が来ることはまずありません。そのため、弁護士事務所や裁判所を名乗る電話や郵便などによる過払い金請求の勧誘は詐欺である可能性は非常に高いです。

電話による勧誘

何者かが弁護士事務所を名乗って、「過払い金が発生しているから手続をしませんか」と過払い金返還請求を勧める電話をかけてくることがあります。しかし、本来弁護士事務所は依頼されてもいないのに過払い金請求を勧めてくることはありません。

郵送物やチラシによる勧誘

過払い金請求に関する郵送物やチラシがポストに投函されているケースもあります。このような場合も、自ら依頼した弁護士事務所などでなければ連絡をするべきではありません。連絡をしてみたら相談には乗ってもらえるものの、高額な費用を要求される恐れもあります。

注意が必要なケース

過払い金請求詐欺をする相手は、様々な手を使ってお金を騙し取ろうとしてきます。犯人の手口に関する知識を身につけて、被害に遭わないよう注意することが必要です。

時効を提示して焦らせる

過払い金返還請求には、「取引の終了から10年」という時効が存在します。過払い金請求詐欺では、「消滅時効の期限が迫っている」ことを理由に早急に手続を進めてくるケースが多いですが、焦らず冷静な判断をすることが大切です。

口座番号や暗証番号を聞き出してくる

過払い金請求詐欺の中には、「返還された過払い金を振り込みたい」と言って銀行の口座番号を訪ねてくる場合もあります。口座の暗証番号まで聞き出して現金を引き出す悪質な詐欺も発生しているため、そのような連絡があっても絶対に応じないようにしましょう。

還付金詐欺も多数発生

「過払い金を振り込むから」と銀行などのATMに行かせて操作をさせ、最終的にお金を自分の口座に振り込ませる還付金詐欺もあります。過払い金をはじめ、医療費などの還付金も自分で申請しなければ戻ってくることはありません。「お金が戻ってくる」と言われても騙されないようにすることが大切です。

過払い金請求詐欺に遭わないための対処法

過払い金返還請求は法律で認められた権利ですが、手続の利用者が増えるに従って悪質な詐欺事件も発生しています。では、過払い金請求詐欺に遭わないためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?

怪しいCMに注意する

すべての事務所がそうではありませんが、過払い金のCM大々的に打っている事務所の中には怪しいところもあります。

以前ニュースで話題になった凍京ミネルヴァ法律事務所などがいい例でしょう。

過払い金詐欺に引っかからないためには、CMを打っているような事務所よりも真面目に営業している個人や中小規模の事務所を頼った方が無難です。

過払い金請求を相談する相手を選ぶ

過払い金請求詐欺の被害に遭わないようにするには、過払い金返還請求の相談をする相手を間違えないことが大切です。見知らぬ相手からの誘いには乗らず、信頼できる弁護士事務所や司法書士事務所、行政機関などで相談するようにしましょう。

過払い金の相談は弁護士や司法書士にしかできない

債務整理や過払い金返還請求の相談は、本来弁護士や司法書士などの専門の資格を持つ者しか受けることができないようになっています。

NPO法人などの団体から過払い金返還請求に関する電話がかかってきても、決して応じない姿勢が大切です。過払い金返還請求についてアドバイスを聞きたい場合には、弁護士事務所などに直接連絡しましょう。

注目!

そのお悩み弁護士に相談してみては?

債務整理できるかどうかは個々の状況によって異なります。また、確実に債務整理をするには個人では難しい場合が多く弁護士に依頼することでスムーズに進みます。まずはお気軽にお問い合わせください。

役所の窓口に相談してみる

信頼できる弁護士や司法書士を見つけられない場合には、住んでいる地域の役所の窓口に相談してみるのもひとつの手です。役所によっては弁護士による無料法律相談を行っていますので、まずはそこで話を聞いてもらうと良いでしょう。

過払い金を着服するような悪徳弁護士・司法書士に注意

過払い金返還請求にかかる手続きは、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。しかし、中には過払い金を着服するような悪徳な弁護士もいて事件沙汰にもなてちます。

弁護士による過払い金の着服

債務整理と同様、過払い金返還請求も弁護士や司法書士などのプロに依頼した方が相手方との和解交渉や手続きがスムーズに進みます。しかし、悪徳な弁護士や司法書士が取り戻した過払い金を着服するケースも報告されています。

無断で過払い金請求をする弁護士も…

さらに、依頼を受けてもいないのに無断で過払い金返還請求を行い、過払い金をそのまま着服していた弁護士や司法書士もいます。他にも、貸金業者から実際に返還された過払い金よりも少ない額を依頼者に伝えて差額を着服していた事件も発生しています。

優良な弁護士を見極めよう

もちろん、詐欺をするような人間はほんの一部で、多くの弁護士・司法書士は誠意を持って過払い金返還請求の手続きを行っています。悪事をはたらくような弁護士や司法書士は、依頼者と面談をしない・連絡をしても返事をしない・委任契約書を交わさないなどの問題が見られることが多いです。少しでもおかしいと感じたら、その弁護士や司法書士には依頼をしないようにしましょう。

過払い金返還請求は信頼できる弁護士に相談を

過払い金返還請求は法律で認められた消費者の正当な権利です。過払い金を利用した様々な詐欺被害に遭わないためにも、信頼できる弁護士や司法書士に過払い金返還請求を依頼するようにしましょう。

債務整理に強く評判の良い弁護士事務所を探す

債務整理

借金問題に悩んでいませんか?

  • 複数の借入先があり、返済しきれない
  • 毎月返済しても借金が減らない
  • 家族に知られずに借金を整理したい