飲食店のコロナ倒産を防ぐ~店と生活を守るために可能な対策まとめ

今後を悩む飲食店の男性

飲食店のコロナ倒産が本格化

飲食店を取り巻く状況が急激に悪化

新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に飲食店や観光業を取り巻く環境が著しく悪化しています。
地方の厳選食材を使った料理を提供する人気店などでも、観光客が来なくなったために壊滅的な打撃を受けている例が少なくありません。

都市部でも、会社員などを相手にしていた飲食店は、各社が在宅ワークを選択したせいで閑古鳥となっています。居酒屋やバーなどは、深夜営業の自粛を求められたために営業できなくなっている例が多々あります。

多くの飲食店が営業時間を短縮しており、日中に空けている飲食店でも明らかに客足が減少しています。

倒産件数が急増

現在、東京を中心として倒産する企業が急増しています。

東京商工リサーチの社長によると「2020年4月27日時点において、負債額が1千万円以上に達しているコロナ関連の倒産件数(今後倒産する見込みのケースも含む)が31都道府県で累計100件」とのことです。コロナ関連の倒産件数は全国規模で2月に2件、3月は23件でしたが、4月に入って一気に急増している状況といえます。

地域別では東京都が24件で最多、次いで北海道の11件、静岡県の7件となっており、業種別では宿泊業が1位で21件、次が飲食業で15件、3位はアパレル関係で10件です。

コロナ問題発生前からさほど業績が良くなかった小規模事業者から順に倒産にいたっているとの見方もあります。
特に地方部では老舗企業が廃業に追い込まれる例も目につき、優良な業者がコロナ問題で窮地に陥っていることが問題視され、救済のための対策が急がれています。

参考:コロナ倒産急増、2カ月で50倍に 苦しい宿泊・飲食業 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

コロナウイルスによる影響は長期化する可能性が高い

コロナウイルス問題による経済への影響は、長期化する可能性が高いといわれています。ワクチン開発もまだまだ先になりそうですし、ある程度落ち着いてきてもすぐに経済が元通りになるわけではありません。第2波が来る可能性もあります。
いったん在宅ワークを導入した企業が、コロナウイルス問題収束後も継続して在宅ワークを利用し続ければ都市部の飲食店は客足が回復しない可能性がありますし、そもそもいったん離れた客足を取り戻すのは厳しくなりがちです。

飲食店をコロナ倒産から守るためにできること

飲食店がコロナ問題による倒産を回避するには、以下のような対策を検討してみて下さい。

助成金、補助金、給付金の活用

政府はコロナウイルスの影響による企業倒産を避けるため給付金の支給を決定しています。
また従来からある助成金や補助金の制度も拡充されているので、利用を検討してみましょう。

  • 持続化給付金
  • 雇用調整助成金
持続化給付金

持続化給付金は、コロナウイルスの感染拡大によって特に大きな影響を受ける事業者へ給付されるお金です。利用目的が指定されず、事業全般に広く利用できます。

給付金額

中小企業は200万円、個人事業者は100万円で、昨年1年間の売上げからの減少分を限度額とされます。

給付を受けられる条件
  • 1か月の売上額が前年同月比で50%以上減少している事業者
  • 2019年度以前から事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思のある事業者
  • 法人の場合、資本金額が10億円未満または常時使用する従業員の数が2000人以下

5月1日から申請の受け付けが開始されています。相談ダイヤルは以下の通りです。

電話番号:0120-115-570
※5月、6月は毎日(平日、土日祝)8時半~19時
※7月から12月は日曜日から金曜日までの週6日の8時半~19時(土曜は休み)

参考:持続化給付金 (METI/経済産業省)

雇用調整助成金

従来から存在した雇用調整助成金は特例が実施され、適用対象が拡大されています。

雇用調整助成金とは、事業の縮小を余儀なくされた事業者が労働者へ休業や教育訓練、出向などを行って雇用を維持したときに休業手当や賃金の一部を助成してもらえる制度です。
コロナウイルスの影響でやむをえず事業を縮小する場合、従業員を解雇せずに維持したら雇用調整助成金を受けられる可能性があります。

特例を受けられる条件
  • 中国人観光客の減少によって影響を受ける事業主で、中国人関係の売上高や客数、受け入れ件数が10%以上となった

中国人観光客が主な顧客で今回のコロナウイルス問題によって客足が急減した店舗の方は、お近くの「労働局」の助成金相談窓口へ問合せをしてみてください。

参考:新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を実施します:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク(PDF)

融資の活用

今は経営が苦しくても、コロナウイルス問題が収束すれば息を吹き返せる可能性が充分にあります。そのためには現在の苦しい状況を乗り越えねばなりません。
手元にキャッシュがないと資金繰りができず倒産リスクが現実化するので、融資を利用しましょう。

政府はコロナ問題で影響を受ける事業者向けに緊急貸付を始めとしたさまざまな融資を行っているので、利用できるものがあればぜひ申請してみてください。

  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付
  • セーフティネット保証
  • 商工中金の危機対応融資
  • マル経融資
新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、日本政策金融公庫から融資を受けられる制度です。
中小企業の場合、限度額は3億円です。政府からの利子補給があるので、当初3年間は金利を優遇され実質無利子になるケースが多数です。

適用条件
  • 最近1か月の売上高と前年または前々年の同期の売上高と比較して5%以上減少している
  • 業歴が3か月~1年1か月未満の場合には、最近1か月の売上高が以下のいずれかと比較して5%以上減少している
    ・過去3か月の売上高
    ・令和元年12月の売上高
    ・令和元年10月~12月の平均売上高

実質無担保無保証で融資を受けられるので、適用できる可能性のある事業者は日本政策金融公庫の中小企業事業窓口で相談してみてください。

セーフティネット保証

セーフティネット保証とは、事業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証してくれる制度です。最大2億8千万円まで保証してもらえます。

いくつか種類がありそれぞれ適用条件が異なるのですが、今回コロナウイルス感染症によって影響を受けた事業者は「セーフティネット保証4号」または「セーフティネット保証5号」を適用できる可能性があります。

セーフティネット保証を受けるには、市町村における認定が必要です。
金融機関や市町村の窓口が混雑していて利用しづらければ、日本政策金融公庫にインターネット経由で申請すると良いでしょう。

また一部の民間の金融機関では、市町村で認定を受ける手続きを代行し、ワンストップで融資の申請ができるようになっています。
金融機関に融資の相談をする際、セーフティネットの要件や手続きについても尋ねてみましょう。

商工中金の危機対応融資

商工中金では「危機対応融資」と呼ばれる融資制度を実施しています。適用要件は新型コロナウイルス感染症特別貸付と同じです。(最近1か月の売上高が前年または前々年と比較して5%以上減少している、など)。

貸付限度額は3億円、全業種が対象、政府からの利子補給があり当初3年間は無利子となる可能性が高いので希望する場合には一度商工中金に相談してみてください。

マル経融資

商工会議所では「マル経融資」という融資申込みを受け付けています。最近1か月の売上高が前年または前々年と比べて5%以上減少している場合、3000万円を限度として融資を受けられます。
融資元は日本政策金融公庫です。利子補給が適用されるので、当初3年間は無利子となる可能性があります。

営業の工夫

補助金や融資に頼るだけではなく、生き残るためには営業上の工夫も必要です。以下のような対応をしてみてください。

テイクアウト営業

現在、緊急事態宣言で在宅ワークを導入する企業が増え、外出への自粛が要求されたことから、日々の食事をテイクアウトする方が増えています。そのおかげで飲食店の中でも「弁当屋」などは意外と盛況になっています。これまでは店舗内での営業しかしていなかった飲食店もテイクアウト営業を始め、利益を確保しようとする例が散見されます。まずはこうした工夫をしてみましょう。

ただしテイクアウト事業には、「食品衛生法」の法規制が及びます。これまでの飲食業許可だけでは店舗外販売が認められない食材があるので、注意しましょう。

たとえばハムやソーセージなどの食肉製品、鮮魚のお刺身、チーズやスモークサーモンなどを販売する場合には個別に許可が必要です。
知らず知らずのうちに法律違反をしてしまう可能性があるので、テイクアウト事業を行うなら事前に弁護士などのアドバイスを受けておくと安心です。

また食中毒を引き起こすと業界全体への不信感が高まり、これまで以上に状況が悪化するリスクが高まります。衛生管理には充分注意しましょう。

クラウドファンディングの活用

SNSなどを利用してクラウドファンディングを活用し、資金集めをする方法もあります。ファンの多い店舗などはぜひ検討してみてください。

コロナの影響で飲食店の経営が難しい場合の対応

コロナウイルスの影響で経営状況が苦しく自力での回復が困難な場合、債務整理を検討してみてください。

任意整理(私的整理)

銀行などの金融機関と交渉し、返済計画を決め直す方法です。従来の計画を変更して支払い額を圧縮することによって再生を目指します。

民事再生

裁判所に申立をして、負債額を大きく減額してもらう方法です。減額された金額を計画通りに返済できれば残りの負債が免除されます。会社を残し、従来の経営陣が自分の手で事業を立て直せるメリットがあります。

破産・精算

破産・清算は会社を廃業するための手続きです。債務超過で通常の清算ができなくても、破産すれば負債を全部帳消しにして会社を消滅させることができます。どうしても経営継続が困難な場合には会社を破産させて、新たな人生をやり直しましょう。

飲食店がコロナ倒産する場合の注意点

飲食店がコロナ問題で倒産(破産)する際には、以下のような点に注意が必要です。

物件の明け渡し、家賃や光熱費について

賃借物件(テナント物件)で飲食店を営業している場合、賃貸借契約の解除と明け渡しが必要です。できれば破産前に貸主に連絡を入れて契約を解除し、原状回復と明け渡しを済ませましょう。

契約が終了すると保証金が返ってきますが、このお金は事業者の「資産」として破産時の換価対象となるので、使い込んではなりません。また滞納した家賃や光熱費があれば、破産手続き終了後に免除されます。

人件費の支払いなど店員への対応

従業員を雇っている場合、解雇の手続きが必要です。
解雇する場合には30日前の解雇予告または解雇予告手当の支給をしなければなりません。これまで働いてくれた従業員たちにできるだけ迷惑をかけないように、破産前に状況を伝えて理解を求め、可能な限り賃金や解雇予告手当、退職金に未払いが発生しないようにしましょう。

どうしても支払いができない場合、政府の未払賃金立替制度を利用してみてください。

参考:未払賃金立替払制度の概要と実績 |厚生労働省

破産予定の通知はタイミングに注意を

ただし従業員に対してあまり早期に破産予定を知らせると、情報が漏れて騒ぎになる可能性があります。
経営の中心に近い幹部から順番に状況を伝え、一般の従業員には最後に情報を伝えるなどして、噂が広まらないよう慎重に対応していきましょう。

対外的な対応

取引先には最終段階で発表するのがベター

破産すると、取引先に迷惑をかける可能性があります。ただ対外的にはあまり早期に破産について知らせるべきではありません。噂が流れると、多くの債権者がこぞって取り立てを行い混乱が発生する可能性が高くなるからです。

「申し訳ない」という思いはあっても、対外発表は弁護士に相談した後、最終段階で行う方が良いでしょう。

倒産・閉店の手続きにかかる費用

倒産や閉店の際には、以下のような費用がかかります。

  • お店をたたむための費用
  • 従業員への給料、退職金、解雇予告手当
  • 破産申立費用
お店をたたむための費用

店内の動産類の収去、原状回復などにかかる費用です。未払い家賃があれば清算も必要です。

従業員への給料、退職金、解雇予告手当

従業員への給料や退職金、解雇予告手当が必要です。

破産申立費用

破産する場合には裁判所への申立費用と弁護士費用がかかります。企業規模にもよりますが、100万円を超えるケースも少なくありません。民事再生や私的整理の場合にも費用は発生します。私的整理の場合には裁判所を利用しない分、費用が安くなるケースが多数です。

倒産を検討するなら、なるべく手元にキャッシュが残っている段階で弁護士に相談するようお勧めします。状況が悪化すると、選択肢が少なくなってしまいます。

飲食店が倒産・閉店を考えたらまず弁護士に相談を

飲食店が倒産や閉店(廃業)を考えるなら、弁護士に相談してみてください。弁護士に相談すると以下のようなメリットがあります。

店を残す方法を一緒に考えてくれる

弁護士は、企業を倒産させることだけが仕事ではありません。まずは店舗を残す方法を考えてくれます。たとえば受けられる助成金や補助金、貸付の制度を調べてアドバイスしてくれたり、申請書類の作成・提出の代行をしてくれたりもします。自社ではどういった救済制度があるのかわからない場合にも、一度相談してみる価値があります。

私的整理、民事再生でお店を残せる可能性がある

弁護士に倒産手続きを依頼する場合にも、お店を残せる可能性があります。たとえば私的整理や民事再生であれば、企業を存続させて営業を続けられます。これらの手続きに成功すると債務が圧縮されるので、今後数年間で支払いを終えれば負債のない健全な状態に戻ります。

また個人事業者の場合、経営者本人が自己破産してもお店の営業継続は可能です。

弁護士に相談すると意外と店を残せるケースが多いので、ぜひ早めにアドバイスを受けてみて下さい。

破産する場合も被害を最小限に抑えられる

店舗の経営状況が著しく悪化していると、破産を避けられない可能性もあります。そういったケースでも、弁護士に相談しながら進めるとリスクを最小減にできます。

まず弁護士に倒産手続きを依頼したら、債権者による個別の取り立てが停止します。また取引先が押し掛けてきて騒ぎになったり従業員に大きな迷惑をかけたり、申立費用が足りなくてにっちもさっちもいかなくなったりといったトラブルを防止しやすくなり、明け渡しもスムーズに進められるものです。

今後の生活を守るための方法を提案してくれる

弁護士は、経営者の新たな生活についてもアドバイスをしてくれます。事業を継続する場合、新たな事業を興す場合、他人の会社に就職する場合など、状況に応じて対応策を検討し、提案をしてくれるでしょう。配偶者や子どもなどとの家族との問題についても相談できるので、困ったときには遠慮せずに何でも話をしてみてください。

コロナウイルス問題で窮地に陥っているなら、早めに弁護士に相談して改善策を検討してみましょう。まずは事業者の倒産案件に積極的に取り組んでいる弁護士を探し、問い合わせの連絡をしてみてください。

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