任意整理で信用情報機関に登録されるデメリットとは?回復までの注意点

信用情報登録

任意整理などの債務整理をすると、信用情報機関にその情報が登録され「ブラックリスト」状態となります。こうなると、基本的には一定期間新規でローンやカードを申し込むことができません。登録が抹消される前でも借り入れが出来る場合がありますが、融資の審査基準は各会社や融資担当者により異なります。

そもそも信用情報機関とは?

信用情報機関とは、信用情報の管理・提供を通じて金融機関と消費者との間の信用取引を安心・安全に行えるようにする機関のことです。日本には現在、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つの機関があります。

信用情報機関に登録されるとどうなる?

その存在は普段目に見えなくても、実は知らず知らずのうちに信用情報機関に様々な個人情報が蓄積されています。たとえば、スマートフォンを月賦払いで購入したり、ETCカードで高速道路を利用したときにも、その情報が逐一信用情報機関に届いています。そして、支払いが滞るようになると、信用情報機関はその威力を示すようになるのです。

どんな情報が登録されるのか

信用情報機関には、住所、氏名、電話番号などの個人情報だけでなく、契約内容や支払い状況の遅延の有無、分割払いの回数など、お金に関する信用情報が数多く登録されています。こうして、信用情報機関は多重債務者が発生することを未然に防止する役割を担っているのです。ただし、人種や思想信条、犯罪歴まで登録されているわけではありません。登録されている情報は、あくまで本人の経済的信用を測るための判断材料のみです。

信用情報は与信審査の要となっている

信用情報は、借金の申込みを受けた金融機関の与信審査の判断基準となります。一度登録された事故情報は永遠に抹消されない訳ではありませんが、各信用情報機関が定める事故情報登録期間が終わるまでは記録が残ります。

この結果、個人信用情報に延滞情報や債務整理の事実等の事故情報が掲載されると、消費者金融業者やカードーン会社等の金融機関に借金の申込みを行っても審査を通過できず拒否されることになるのです。

自分の信用情報がどうなっているか開示請求もできる

ごく稀に、間違って事故情報が登録されているケースがあります。

カードの支払いもローンの返済も遅れたことがないのに審査落ちが続くときは、自分の信用情報がどうなっているのかを一度信用情報機関に開示請求して確認しましょう。間違って登録されているようであれば、削除や訂正を求めることが可能です。

任意整理と3つの信用情報機関が持つそれぞれの関係

先述の通り、日本には、現在3つの信用情報機関があります。信用情報を管理している点では共通していますが、それぞれ設立された経緯や系統が異なっているため、それぞれの特徴について知っておきましょう。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

CICは割賦販売法や貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた、ただひとつの指定信用情報機関です。クレジットカード会社が共同出資して設立した機関で、割賦販売業者や消費者金融業者などを中心に組織されています。入会には加入資格を満たした上で厳格な審査に合格することが必要です。

日本信用情報機構(JICC)

JICCは、消費者金融業者が中心となって設立された機関です。平成21年には全業種横断型信用情報機関の株式会社シーシービーと経営統合し、全業態の信用情報を扱う国内最大級の組織となりました。

日本最大級の信用情報機関であるJICCには、消費者金融会社の約80%が加盟しています。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

KSCは、消費者信用の円滑化等を図るために設立された機関です。一般社団法人「全国銀行協会」が設置・運営する個人信用情報機関で、銀行や銀行関連のクレジットカード会社が加盟しています。

KSCの会員は、カード等の申込者に関する与信取引審査上の判断材料として信用情報を提供しています。

任意整理で信用情報機関(事故情報)に登録されるデメリットとは

ブラックリストに掲載される

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が掲載され、いわゆる「ブラックリスト」に載る状態になります。しかし、ブラックリストに載ったからといっても、経済的な信用を永遠に失うわけではありません。

こうなると、新たに金融機関から借り入れをしたり、クレジットカードを作ったりすることは困難です。このように、信用情報機関のデータベースに「事故情報」が載ることを「ブラックリストに載る」と言います。”ブラックリスト”という名前のリストがあるわけではありません。

事故情報に登録される

任意整理をすると、弁護士などから債権者に受任通知が発送されます。それが各金融機関などに届くと、その情報が信用情報機関にも伝わります。そうすると「事故情報」として登録されることになります。

登録期間は「5年をこえない期間」

どの債務整理の手続を利用しても、信用情報機関での事故情報に関する登録期間はおおむね5年以内です。各金融機関やクレジットカード会社が審査を行う際には、まずこの情報にアクセスして経済的に信用できるかを確認します。

「社内ブラック」が残り続けることも

債務整理後、一定期間が経過すれば整理の対象となった貸金業者等から新規借り入れができると誤解されている方も多いと思いのではないでしょうか。

しかし、信用情報機関での事故情報が削除されても、債務整理の対象となった貸金業者等の社内情報には、事故情報として半永久的に残ってしまいます。

ローンやカードの申し込みにできなくなる

事故情報が登録されると、一定の期間な経済的な信用がなくなるため、借り入れやカードの新規申し込みができなくなります。中には「ブラックOK」などと甘い言葉で融資の話を持ちかける闇金業者もいますが、借りたが最後、執拗な取り立てに追われたり法外な金利を取られたりするので絶対に手を出さないようにしましょう。

整理をしていないクレジットカードをしばらく使えても…

任意整理で整理の対象にしなかったクレジットカードは、しばらくは使えるかもしれません。しかし、カード会社が契約更新等の際に信用情報を照会すると、以後カードが使えなくなる可能性があります。

ただ、滞りなく返済ができていれば、カードの使用期限まではカード会社が個人信用情報を照会することはあまりないので、引き続きカードを使える可能性は高いでしょう。

保証人になれない場合もある

信用情報は個人の経済的信用の度合いを判断する材料となる情報です。保証人は,主たる債務者が借金を返済できなくなったときに、主たる債務者に代わって返済する義務があります。

そのため、信用情報機関に事故情報が登録されている間は、保証人になることができないケースがあります。

任意整理後の信用情報が回復するまでの対処法

支払いを滞納しない

任意整理後に支払いを滞納すると、事故情報の回復までの期間が伸びます。

場合によっては債務整理そのものが振り出しに戻ってしまう可能性もありますので、支払いは滞納しないようにしましょう。

デビットカードを使うようにする

前述した通りクレジットカードを作成することは難しいですが、デビットカードであれば審査がないので任意整理後でも作ることができます。

事故情報が登録されていても関係ありませんし、口座にある以上の金額は引き落とせないので安心です。

新たな借入をしない

金融機関はもちろん、友人や親戚からの借入もしないようにして下さい。

返済しなければいけない金額が増えていきますし、新たに借入があった事が知れればさらに信用情報に傷がつきかねません。

任意整理後は、借金なしでの生活再建を図るチャンス

任意整理をしたからといって、永遠に信用が地に落ちるわけではありません。ただ、クレジットカードやETCカードが使えなくなるなど、日常生活を送る上で多少は不便を強いられることになります。これを機に、現金払いを中心とする生活スタイルにするのも生活再建を図るためによい方法ではないでしょうか。

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