借金の理由は債務整理に影響する?理由を問わない手続き、考慮される手続き

借金のことを考える男性

借金の理由が債務整理に与える影響

多重債務に悩んでいる方は、債務整理を検討している方も多いでしょう。しかし、「借金の理由が影響するのでは?」と不安に感じ、手続きに踏み出せない方も多いそうです。特に、ギャンブルや浪費などが理由の場合は「正当な理由でないとして認められないのでは?」 と心配している方も多いでしょう。

実際に借金の理由が影響するのは自己破産だけ!

実際のところ、借金の理由が影響するのは、自己破産のみです。そのほかの債務整理に関しては借金の理由は問われません。もっとも、自己破産でも例外的に借金免除が認められる可能性もあるため、借金の理由だけではなく借金の総額や返済を続けられるかどうかなどを総合的に考えて、債務整理の種類を選ぶべきです。

そこで、今回は借金の理由と債務整理の関係をご説明していきます。

借金の理由が影響しない債務整理

 
借金の理由が問われると困るなら、借金の理由が影響しない債務整理を選ぶことも可能です。
借金の理由が問われない債務整理の方法には、

  • 任意整理
  • 個人再生

の2つがあります。この2つの債務整理方法で、借金の理由が問われない、その理由をご説明いたします。

任意整理は借金の理由を問われる機会がない

任意整理とは、債権者との交渉により利息の引き直し計算を行い、法定利率に引き直すことで借金の減額を図る方法です。

この手続きでは、ご自身で任意整理する借金を選ぶことや裁判所が介入しないことから、他の債務整理より自由度が高いということができます。他方、元本は減額されないので、減額幅は債務整理の種類の中でも一番小さいと言えるでしょう。

債権者と直接交渉するため、借金の理由はそもそも問題にならない

任意整理の手続きの中で借金の理由を問われることはまずあり得ません。というのも、借金の理由が問題になるのは、法律で制限がかかっている場合のみを指すためです。任意整理の場合は、裁判所の介入がなく、債権者との交渉のみで手続きを進めていくため、借金の理由が問題となるような機会自体がないのです。

債権者と直接やりとりをするのですから、お金を貸した側が今更借金の理由を聞くことがないのはお分かり頂けるかと思います。

個人再生は、借金の理由が問題となる法律がない

個人再生とは、債務者の借金総額を最大1/5まで減額できる債務整理手続きのことを指します。1/5まで圧縮することはできますが、残った借金については原則として3年で返済をしなければいけません。
裁判所に再生計画を定州つし、認められたら借金の減額が認められます。裁判所が介入するため、任意整理ほどの自由度はありませんが、減額幅が任意整理よりも大きいのが特徴です。

個人再生で裁判所が重視するのは「返済可能な再生計画案かどうか」

個人再生の場合、裁判所が介入する手続きのため「個人再生では借金の理由が問われるのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際は「個人再生で借金の理由は問われない」が正解です。

というのも、個人再生では、再生計画案を認めてもらえるかどうかが重要なポイントであり、借金の理由により不可とする法律はないためです。再生計画案では、借金の理由よりも「きちんと返済可能かどうか」が強く問われることになります。

借金の理由が不安な場合は任意整理か個人再生の検討を

借金の理由に不安がある方は、総合的に考えて

  • 任意整理
  • 個人再生

このどちらかを検討してみると良いでしょう。

借金の理由が大きく影響する自己破産

自己破産は「借金の理由」が問われる債務整理手続きに当たります。
「もう返済できない」と自己破産を検討している方は、その理由やどうすれば例外的に免責してもらえるのかを確認しておくべきです。
自己破産借で借金の事情が問われる理由、例外的に免責できる制度についてご説明します。

自己破産が認められない借金の理由

以下のような理由による借金に対しては、自己破産が認められない可能性があります。

  • ギャンブル(パチンコ、麻雀、パチスロ、競馬など)
  • 高額の買い物(生活に不可欠といえないもの)
  • エステ
  • 旅行
  • キャバクラ、風俗

このような事情で借金が増えた場合には、免責不許可事由にあたり自己破産が認められない可能性があります。

ギャンブルや浪費は、免責不許可事由になる

任意整理や個人再生は、借金の減額を図りつつも、どちらも返済することを前提として手続きです。自己破産は、債務者が抱える全ての債務を免除する債務整理手続きを指します。裁判所が免責許可を与えれば、現在抱えている債務すべてを返済しなくて済むようになるため、多重債務に苦しむ債務者にとっては非常に大きな救済策となります。

本来返すべき借金を免除させる自己破産には、法律で一定の制限がかかる

ただし、本来は債務者が債権者に返済すべき借金を全て免除にするのですから、どんな借金でもすべてチャラにするようでは、債権者にとってはあまりに不利な話です。債権者に一方的に有利な自己破産手続きの運用を、法律が認めるわけもありません。

こうした考えから、自己破産には一定の制限が法律によりかかっています。具体的には免責不許可事由と呼ばれているものです。免責不許可事由とは、自己破産を認めてはいけない事情がある場合を列挙したものを指します。

浪費やギャンブルは経済的更生が難しいと考えられる

具体的には、自己破産についての定めがある破産法では

浪費又は賭博その他の射幸行為

が免責不許可事由として定められています。

これは、ギャンブルやショッピング、投資(株式、為替)などでの浪費行為による借金の場合は、自己破産ができないことを示しています。破産法の目的は多重債務者の救済と債務者の経済的更生です。

浪費やギャンブルを理由とする借金の場合、更生を図ることが難しいと一般的に考えられることなどが影響しています。

ギャンブルや浪費が理由の借金でも、裁量免責が認められることもある

上記のようにご説明すると、「免責不許可事由があるなら自己破産ができない…」と考えてしまうのも当然です。しかし、免責不許可事由は絶対ではなく、これに当たる場合でも例外的に免責が認められることもあるのです。

これを裁量免責といいます。破産法252条2項では、免責不許可事由の「いずれかに該当する場合であっても,…免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。」と定めています。つまり、裁判官の判断次第で、自己破産が認められることがあるということです。

経済的更生の可能性があれば、裁量免責が可能

裁量免責の基準については、定まったものはありません。条文にも「裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して」と記載されており、今回の債務免除に関わる全ての事情が考慮されます。ギャンブルなどが借金の理由であった場合でも、その他の事情や本人の態度なども考慮し、経済的更生の可能性があると判断されれば、「免責が相当」として許可がされることがあります。

以上から、自己破産ではギャンブルや浪費などの借金の理由は問題となりますが、総合的に見て経済的更生が可能と判断された場合には、裁量免責が認められることがあるということです。借金が返済できない場合は、諦めずに自己破産について弁護士に相談してみてください。

借金の理由が良くない場合、自己破産で裁量免責を獲得する方法は?

ギャンブルなどの借金の事情がある場合、裁量免責を獲得することが重要です。そこで、裁量免責で考慮される事情、裁量免責が出る可能性、裁量免責も認められないケースについてご説明いたします。

裁量免責で考慮される事情

裁量免責について、裁判所は「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮」して判断を下すとされています。この条文の内容からは、どのような事情が具体的に考慮されるのかは明らかではありませんが、実務ではどのような事情が考慮されているのでしょうか。考慮される事情としては、以下の3つに集約されます。

  • 免責不許可事由の内容と程度
  • 自己破産の手続きに対する協力度
  • 経済的更生が可能か

それぞれ具体的にどのような内容があれば、裁量免責が認められやすくなるのかを見ていきましょう。

免責不許可事由の内容と程度

免責不許可事由には11つの事情が規定されていますが、そのうちどのような事情でどの程度の問題であるのかは考慮されます。例えば、ギャンブルなどを理由とする「「浪費又は賭博その他の射幸行為」にあたる場合であれば、借金のうちどれくらいの額がギャンブルに利用されたのか、という点が考慮されます。

借金のうちギャンブルや浪費に費やした金額が一部であり、そのほかは生活のために資金であった等であれば、裁量免責の可能性は高まります。

自己破産の手続きに対する協力度

自己破産の手続きに協力的であるかどうかも考慮される事情の1つとなります。具体的には、予納金を治めない、申告すべき内容に虚偽がある、といった場合は協力の程度が低く、マイナスに評価されます。

他方、裁判所の指示に従いきちんと予定通りに手続きをこなしていれば、自己破産の手続きにきちんと協力しているとして評価してもらえます。

経済的更生が可能か

経済的更生を図れるかどうかは、重要な考慮要素となります。というのも、破産法の目的の1つに債務者の経済的更生があるためです。これができそうにない場合には、そもそも債務免除を認める必要性も乏しくなってしまうため、重要な指標といえます。

基本的には、家計の収支を見直す、ギャンブルはやめるなどの真面目な生活に戻す意欲があれば経済的構成は可能であると認めてもらえるはずです。

このように、主に3つの事情を基本として総合的に免責が相当であるかどうかを判断します。

裁量免責が認められる可能性は90%以上

裁量免責が認められる可能性があるとして、実際に認められるのはどれくらいの割合なのでしょうか。破産法に免責不許可事由が規定されており、これに該当する場合は裁量免責の場合のみ自己破産が認められると聞くと、裁量免責が「例外的な措置」のように聞こえ「ほとんど免責されないのでは?」という疑問が湧いてきます。

法律の規定上は確かに例外的に裁量免責を認めるような形になっていますが、実務ではほとんどのケースで裁量免責が認められます。実際に90%以上は認められると考えて良いでしょう。ギャンブルや浪費が理由であっても同様です。よほどの事情がない限り裁量免責で借金は免除されると考えて良いでしょう。

生活を建て直す意思を見せることが大切

重要であるのは、きちんと生活を立て直すという意思を裁判官に見せることです。ギャンブルや浪費などが理由で免責不許可事由に当たるならば、「今後はギャンブルや浪費はやめる」と決心してください。自己破産後は、堅実な生活を取り戻したいこと、家計を見直し借金は作らない生活に戻ることを決意し、それを伝えれば多くのケースで自己破産が認められるのです。

例外的に裁量免責が認められないケース

多くのケースでは裁量免責が認められますが、例外的に裁量免責が認められないこともあります。具体的には以下のような事情がある場合です。

  • 裁判所の手続きに協力しない
  • 手続き中にギャンブルをしたことがバレた
  • 生活を建て直す意思がない
  • 裁判所に虚偽の申告をする

上記のような事情が発覚した場合には、裁量免責が認められない可能性が高くなります。裁量免責で考慮される事情でご説明したように、手続き中にきちんと更生を図る姿勢を見せることが大切です。裁判所に出向かなければいけない場合はきちんと出廷すること、借金の原因となった問題行動はしないこと、嘘をつかず前向きに自己破産後の生活を建て直すことを約束することで裁量免責は認められます。

したがって、このような責任ある行動とは真逆である上記のような行動は取らないようにしましょう。

会社の倒産・解雇は、債務整理の理由になる?

ギャンブルや浪費だけが自己破産の理由ではありません。会社が倒産した場合や事情があって会社に解雇された場合に生活が苦しくなることもあります。このような理由で借金を返済できなくなった場合でも、債務整理をすることはできるのでしょうか。

会社が倒産した場合は、債務整理の理由になる

ギャンブルや浪費以外の事情により債務整理が必要となった場合、債務整理が必要な理由として認められるのでしょうか。具体的には以下のような事情があった場合です。

  • 会社が倒産した
  • 会社にリストラされた
  • 自己責任で会社を解雇されてしまった

まず、債務整理のうち任意整理と個人再生については、そもそも理由が問われないため、債務整理で借金を減額することは可能です。問題は自己破産の免責不許可事由に当たらないかということになります。免責不許可事由としては、先にご説明した通りいくつか条文に列挙されていますが、これらは債務者を害する行為や平等弁済を害する行為、虚偽の内容を申請する行為、破産手続きに協力しない行為などです。

会社の倒産や解雇は免責不許可事由にはならない

会社が倒産した、解雇されたという事情の場合、収入がなくなり生活が困窮し借金が返済できなくなったというのが主な理由のはずです。この場合は、免責不許可事由に該当する事情はありませんので、自己破産の場合でも問題なく認められるでしょう。

2度目の自己破産は認められない可能性

ギャンブルや浪費などの理由以外で、自己破産を検討している方が注意すべきなのは、2度目の自己破産のケースです。

ギャンブルや浪費などを原因とする自己破産の場合、繰り返し自己破産を経験する方も少なくありません。今回が1度目であったとしても将来的に逆戻りの状況とならないよう、真剣に生活態度を見直していくべきです。2度目は認められない可能性もあるためです。

前回から7年以内の再度の自己破産は基本的に認められない

7年経過していても、2度目の自己破産は難航が予想される

免責不許可事由では、免責許可決定から7年以内の再度の申立てはできないことを規定しています(破産法252条1項10号)。
仮に今回の自己破産が前回の自己破産から7年以内である場合には、自己破産は基本的に認められません。また仮に7年が経過している場合でも、裁判所が慎重に審理を進めていく可能性はあります。

借金の理由の影響が心配なら、債務整理は弁護士に相談を

借金の理由が気になって債務整理を躊躇してしまう場合は、専門家である弁護士に相談するのが一番です。ご説明したように自己破産の場合でも免責の可能性は十分にあります。専門家の話を聞けば、大きな不安も少しは解消することができるはずです。

また弁護士と一緒に手続きを進めていけば、安心して債務整理手続きをすることもできるでしょう。1人で心配していても、借金は増えていくばかりです。借金問題を解決するためにも、専門家に相談することで解決の一歩を踏み出しましょう。

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